渋谷公園通りの内科クリニック

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人間ドックの尿検査について

time 2023/05/09

人間ドックの尿検査について

人間ドックでは、尿検査は必ずあります。まずは採尿です。採尿用の紙コップが渡されますので、この中に尿を採ります。この時女性は、膣からの混入物が入らないようにするために、できれば最初の方の尿は便器に排尿して、真ん中の尿だけを紙コップに排尿するとベターです。

これを、中間尿と言うのですが、尿検査に最も適した尿です。最初に試験紙法という方法で、尿蛋白や尿糖、尿潜血、尿中のウロビリノーゲン、PHなどを調べます。尿蛋白や尿糖、尿潜血は(-)が正常ですが、ウロビリノーゲンは(±)が正常です。簡易人間ドックの場合は、ここまでのこともありますが、通常は次に尿を遠心分離機にかけて、上澄みを顕微鏡で見ます。

これを沈渣と言うのですが、この検査結果は素人が見ても、さっぱり何が何やらわからないでしょう。白血球は、膀胱炎や腎炎などの炎症があると尿中に漏れ出ます。<4/HPFが正常範囲です。0ではないのだから異常ありでは、と思いがちですが、膣からの分泌物(おりもの)だったり、剥がれ落ちた尿道の皮膚だったりで、僅かに見られるのは心配ありません。

HPFはハイパワーフィールドの略で、顕微鏡を拡大視野にしたという意味です。赤血球も<4/HPF以下なら、0でなくても問題はありません。扁平上皮は(+)となる事がよくあります。特に女性は膣からの分泌物のため、よく(+)になります。

しかし、量が多かったり男性で(+)の場合は要注意です。円柱と言うのは、ムコ蛋白やアルブミンがゲル状に凝固沈殿したもので、主に尿細管や集合管で作られたものです。硝子円柱以外の円柱は、腎臓に何らかの疾患がある事が疑われます。硝子円柱以外の円柱が尿中に見られる時は、精密検査が必要ですので必ず受けてください。

特に、蝋様円柱が見られる場合は腎不全の疑いもあります。人間ドックは検査後が大切です。精密検査の指示が出ているときは、決して放置しないで下さい。

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